De Conatus Editorial
デ‧コナトゥス
出版社
デ‧コナトゥスはその時代で最も文芸的かつ前衛的な文学を提供する出版社。
カタルーニャ人の銀行員との間に娘をもつ若いエクアドル人女性。現状の壊れた社会に身を置きながら、第二次世界大戦時にナチスが占拠したウイーンから移民した家族を救い出す方法を探す。憎しみ、子育て、新しい人生の模索に縁どられたニューヨークの暮らしだが、毎日のように家族の記憶の映像がとめどなく彼女の心に飛び込んでくる。理性では自己防衛になるような思索を巡らせようとするが、若さゆえの衝動が性や恋愛、家族との経験を支配する。本作品はこの独創的な著者の小説家としてのデビュー作で、世界に名前を付ける必要性に駆られてこぼれ出るかのように生まれる圧倒的な言語力で綴る素晴らしい小説。
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文学
他人の言葉
Lengua ajena
フリア‧レンドン
Julia Rendón
De Conatus Editorial
2019年8月、G7のサミット開催の直前に1頭のクジラがオンダリビアの海岸に打ち上げられた。富を象徴するお祭り騒ぎに水を差すための自然からのメッセージだろうか。あるいはエコサイドを続ける政府の非難を目的とした反体制グループの工作だろうか。いずれにしても40トンの動物の死骸は公衆衛生上の脅威であることに間違いない。クジラの死の原因調査と責任の所在を突き止めることが急がれる。それと並行して名も知れぬ人々の声が合唱となって同じ海を航海し、大々的なクジラ漁が始まった5世紀前へ時間を遡る。海洋の衝撃的な現状を書いた小説で、新たな環境問題を探りつつ現代が抱える倫理と政治の矛盾を突き付ける。
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