日本市場向けに専門家が選んだスペインの新刊書籍をお届けします。今回は以下の専門家の方々に選んでいただきました(あいうえお順/敬称略)
岡原光希(アウルズ・エージェンシー) / 小国貴司(リブロ)/ 土居悦子(阪急コミュニケーションズ) / 野谷文昭(名古屋外国語大学教授・東京大学名誉教授) / 増子信一(作品社
各書籍のレポートを担当したのは以下の方々です(あいうえお順/敬称略)。青砥直子 / 井原美穂 / 宇野和美 / 小原京子 / 柏倉恵 / 嶋田真美 / 高際裕哉 / 長神未央子 / 佐藤晶子 / 宮崎真紀 / 村田名津子 / モンセ・マリ / 安田晶 / 山田美雪/ 横田佐知子 / 吉田恵
ニキ・サスは小さい頃から、いとこが大嫌い。ところが、いとこはクラスメートなので、ふたりの間で戦争が起こるのはまちがいない。ニキと友だちは、いとこに復讐しようと学校のトイレのパイプをふさぐ。すると、急場しのぎに移動式のプラスチック製トイレが設置されるが、その小部屋のひとつにテレポーテーションマシンが隠されているのを発見する。
本書は著者の作品の中でも最もプライベートな作品で、実際の経験や秘話を通して、日々向上するための秘訣や失敗と成功についての理想、努力についての考え方などを明かす。著者いわく、≪文句を言う代わりに早く起きあがって、もっと力をこめて挑戦することに価値がある≫
量子力学の現実は、未来を先取りする新しいパラダイムだ。
草地を求めて移動し、ワニがうようよしている川を渡らなければならないヌーのドキュメンタリーは、おそらくだれもが見たことがあるだろう。毎年群れが通り過ぎたあとには必ず数匹が取り残されるが、ワニの飢えを和らげる、こういう犠牲がいるおかげで、群れは前進できるのだ。本書の登場人物たちも、そのような状況に置かれている。群れを渡らせるため自分が犠牲になるかもわからぬまま、ワニがひしめく水の中へ入っていくしかないヌーそっくりの状況だ。その多くは、青春期を通りすぎた大人である。