ビクトリアの人生に次々と現れるダメ男たち。本当なら逃げるべき相手なのに好きになってしまう。そんな彼女自身や、彼女やその女友達たちに巻き起こる出来事に共感せずにはいられないだろう。人生というこの大きな市場でつきまとってくる毒男たち。良識ある女性なら逃げるべきそんな男たちのエピソードを、ブラックユーモア風に描いた面白小説(物語と自己啓発書の中間)。挫折を経験した優しい男から、自己陶酔したナルシストまでさまざまな男たちが登場。例えば、うぬぼれやのアントニートは自分の能力を過大評価しがちなうえ、みんなが自分に注目していると思い込んでいる。そんな男たちから逃れることはできるだろうか? それは無理かもしれないが、せめて自分を見失うことなく、過去の過ちを笑い飛ばして、その経験がくれた教訓を生かせるようにしておこう。