ベニテス=レイエスの今回の小説はあちこちで集まっては話に興じる物語。パンデミックの真っただ中、5人の陰謀論者が好き勝手に自説を唱え奇想天外な結論を導き出していく。彼らにとって公式発表は明らかに現実を歪曲したものでしかない。毎日流れるニュースに沿って、理性から最もかけ離れた理論に基づき意見を述べ、議論し、もっともらしく話す。科学、地政学、社会経済学に関するどんな問題でも標的だ。全くの作り話のように思えてしまうが、実際の資料に基づいた小説。大笑いすること間違いなしのストーリーで、予期せぬ結末が待ち構えている。オルタナティブな考えに対する痛烈で哄笑を誘う風刺のきいた小説。