エンリケ・アモリムは恋人フェデリコ・ガルシア=ロルカの死体を盗んだのか? チャプリンとピカソの密会にもぐり込むため、ジャン・ポール・サルトルのふりをしたか? パブロ・ネルーダがノーベル賞をとるための努力を妨害したのか?
1930年代のブエノスアイレス、スペイン内戦、戦後のパリを徹底的に調査研究し、サンティアゴ・ロンカグリオロは20世紀芸術の大巨匠たちの交友関係、嫉妬、ライバル心、恋愛を暴露する。億万長者でありながら共産党員、ホモセクシュアルでありながら妻帯者、ウルグアイ人でありながらアルゼンチン人、カメレオンのように姿を変えるエンリケ・アモリムの視点を借りて、物語は語られる。彼は20世紀のもっとも輝かしい才能を持った人々の心を魅了する術を知っていた。そしてガルシア=ロルカとは、謎めいた愛の物語を生きた。死さえも乗り超えた愛を。