ハイメの血管の中にいる女性の幽霊が、その創造主に恋をし、あり得ないことを夢見るようになる。目覚めることだ。幻想の世界では、人類が再創造した空想上の生き物たちが、危うい均衡を保って共存しているのだが、幽霊の熱い願いがその世界を打ち砕く。一方ハイメの日々は、大学時代の過酷な毎日から穏やかな日常へと移行する。『目覚め』はコントラストの小説だ。生々しさと真正、自由奔放さと夢、ロマンティックとエロティック。不敬だが優しいユーモア/ホラー感覚で融合した完璧なコラージュだ。ハラハラドキドキ最後まで読者に期待を持たせ続ける、しっかりとした構成に支えられたコラージュである。