20世紀の偉大な作家のひとり。エミリ・ビラノバ、ナルシス・ウイェール、カテリーナ・アルベールやプルデンシ・バルトラナの伝統を受け継ぐリョルは、マルセル・プルースト、アンドレ・ジッドやイタロ・ズヴェーヴォの作品の影響から、現代人の悲観的で幻滅的なビジョンをカタルーニャ文学に持ち込んだ。1928年にTàntal(タンタル)を発表し、ある種物議を醸す。しかし、本書Laura en la ciudad de los santos (聖人の街のラウラ、1930、クレシェルス小説賞)は、成熟した語りで高い評価を得る。他にも風俗小説風の作品が数作ある。スペイン内戦によってリョルは深刻な窮乏に陥り、1947年、La sonrisa de los santos(聖人たちのほほえみ)を発表。これは『聖人たちの街のラウラ』の第2部だったが、前作の意欲的な姿勢はなりをひそめていた。ほかの重要な文芸作品に、Todos los cuentos (全短編、1950)がある。