マルタ・バリオ=ガルシア-アグリョは1986年ニューヘイブン生まれの編集者。マドリード自治大学でスペイン文献学と中東学を学び、サラマンカ・サンティリャナ大学で編集の修士課程を修める。小説第1作である『Los gatos salvajes de Kerguelen(ケルゲレンの野生猫)』 (2020)が、ヒホン・ノワール週間のシルベリオ・カニャーダ記念賞の最終候補になった。2021年トゥスケッツ小説賞を受賞した本書は、胎児の喪失の悲痛な物語と、それを乗り越え、人生の前で再び自己肯定する力を、冷たい抑制のきいた筆致で描く。