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Luis Martín-Santos

Luis Martín Santos

Luis Martín-Santos

ルイス・マルティン=サントス

ルイス・マルティン=サントス(ララチェ、1924年生まれ)は、非常に優れた作家、著名な神経精神科医、反フランコ主義の活動家であり、1964年1月、ビトリア近郊の路上で命を落とした。彼は革新的な小説『Tiempo de silencio(沈黙の時)』(1962)の著者。

彼はサラマンカ大学で医学を学んだ。1946年末にマドリードに移り、サン・カルロス病院で短期間外科に携わった後、精神科医となった。高等科学研究評議会の奨学生であり、1953年にディルタイ、ヤスパースと精神病の理解に関する論文(パス・モンタルボ、1955)で博士号を取得した。マドリードでは、文学カフェに出入りし、サンチェス・フェルロシオ、イグナシオ・アルデコア、カルメン・マルティン=ガイテ、アルフォンソ・サストレ、フアン・ベネなどの作家と親交を深めた。当時非合法だったスペイン社会労働党に属し、1950年代初頭にサン・セバスティアンに転居し、死ぬまで精神科病院の院長を務めた。

彼の小説『Tiempo de silencio(沈黙の時)』(セシュ・バラル、1961)は、スペイン文学史上、欠かすことのできない重要な作品である。彼の死後、『Libertad, temporalidad y transferencia del psicoanálisis existencial(存在分析の自由、時間性、転移)』(セシュ・バラル、1964、ガラクシア・グーテンベルクから2024年に復刊)、様々な文章を集めたアンソロジー『Apólogos(寓話)』(セシュ・バラル、1970)、未完の小説『Tiempo de destrucción(破壊の時)』(セシュ・バラル、1975および1998、ガラクシア・グーテンベルクから2022年に復刊)、短編集『Condenada belleza del mundo(世界の呪われた美)』(セシュ・バラル、2004)が出版された。彼はまた、いくつかのエッセイも残している。2020年には、友人フアン・ベネとの共著による初期の短編を集めた『El amanecer podrido(腐敗した夜明け)』(ガラクシア・グーテンベルク)が出版された。2024年、ガラクシア・グーテンベルクは、彼の全小説、戯曲、詩、エッセイ、そして精神医学に関連する文章を網羅する全集の刊行を開始した。

フランコ将軍の独裁政権初期の悲惨な時代を舞台に、社会からの疎外、実存的絶望、そして殺人を描いたこの小説は、ノーベル賞受賞を夢見る癌研究者ドン・ペドロの数日間を綴る。文学・哲学界との気まぐれな関係、マドリードの貧困地区で実験用マウスを探し求める彼の姿、彼を孫娘と結婚させようとする下宿先の女主人との会話等は、社会主義リアリズムというよりも、独創的な意識の流れであり、衰退した国家の最後の厄災的局面にすぎない権威主義体制が何年も続いてどん底に落ちた社会の、叙情的で瞑想的で、遊び心がありながらも悲観的な一連の情景である。 1962年に出版されたルイス・マルティン=サントスのこの小説は、現代スペイン文学の傑作であり、多くの読者から内戦後スペインにおける最高の小説と見なす者も多い。その言語的創意工夫と、生き残るために奮闘する抑圧された個人への想像力豊かな洞察により、現代文学における『悪の華』と呼ぶべき作品となっている。マルティン=サントスは、ゴヤのブラックユーモアとジョイスの機知をもって、天才的な自己批判によってのみ救われる希望のない世界のビジョンを創造する。20以上の言語に翻訳されているが、日本語版はまだない。日本の読者にとってすばらしい発見となるだろう。

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Luis Martín Santos著『Tiempo de silencio』の表紙
文学

沈黙の時

Tiempo de silencio

ルイス・マルティン=サントス

Luis Martín-Santos
Galaxia Gutenberg SL