Jorge Zepeda Patterson
ホルヘ‧セペダ=パターソン
経済学者で社会学者。社会科学ラテンアメリカ学科で修士課程を終え、パリのソルボンヌ大学の政治学大学院で学ぶ。自ら創刊した雑誌「ディア‧シエテ」編集長を務めた。ラジオやテレビや新聞雑誌ナリストをし、スペインの20の日刊紙に掲載される日曜日のコラムを執筆。毎週木曜日「エルパイス紙」のアメリカ版に「よく考えると」というコラムを執筆。グアダラハラの「シグロ21紙」「プブリコ」の創刊者で、「エルウニベルサル紙」のデスクも務めた。Sinembargo.mxの編集長。Los amos de México (メキシコの経営者たち, Planeta, 2007) やLos suspirantes (熱望者たち, Planeta, 2012)など、経済分析に関する著書や共著もある。最新の小説Los corruptores(堕落した者たち, Destino, 2013)はスペインでもベストセラーとなり、ダシール‧ハメット賞の最終候補になった。
メキシコ・シティ。女優のパメラ・ドサントスは、その有名な太ももと、メキシコの大物政治家たちが通り過ぎて行った広く寛容な心のおかげで、スターの座に上り詰めていた。だが、彼女のバラバラ死体が発見されると、続いてPRI(制度的革命党)の政権復帰に赤信号をともすわけのわからない出来事が次々に明るみにでる。トマスは、全くやる気のないジャーナリストだが、この有名な女優の殺人について急ぎ記事を書き、死体発見現場について、必要な裏付けをせずにあるデータを盛り込む。記事になると、一見つまらなそうなそのデータが興味をひき、人びとの注目が集まる。死体は、新政権の最も危険な人物サラサールの自宅からわずか数メートルの場所にあったのだった。
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文学
堕落さ る者たち
Los corruptores
ホルヘ‧セペダ=パターソン
Jorge Zepeda Patterson
Ediciones Destino
ミレナの美しさが仇だった。若い頃から性の奴隷となってきた彼女は、パトロンである通信業界の大物が、彼女との情事の最中に心臓発作で死んだとき、逃亡を試みる。不安な逃亡の最中に、アスレスと名乗る正義漢の3人組に出会う。ジャーナリストのトマス・アリスメンディ、政治家のアメリア・ナバロ、保安の専門家ハイメ・レムスである。彼らは彼女を解放しようするが、ミレナは黒い手帳に書き込まれた謎をかかえて怯えている。その謎は、救いと同時に復讐を示唆しているからだ。アクションと愛に満ちたパワフルなこの小説は、日々グローバリゼーションが進む世界におけるパワハラと汚職を告発すると同時に、恥辱を受けている一女性が、多くの女性たち同様、開かれた心を持っていることを教えてくれる。
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