ジャウマ・ベナベンテ=イ=カサニェス(1958年バルセロナ生まれ)はカタルーニャ文学作家。幼少期は家族で移住したブラジルで過ごす。大学で美術を専攻。デザイナー、司書助手、文書整理係、キュレーターなどとして働く。バルセロナ在住。作品はある種ノマド的で、情景描写を多用した語り、実存や倫理性の重視などに特徴がある。どのような形式のものであれ、彼の作品は、形を変えて繰り返されるテーマ、たとえば、居場所の探求、内面的な物語と歴史との出会いとすれ違い、フィクションと現実間の緩衝地帯、自己探索あるいは自己内部への逃避としての旅、理解の器官としての郷愁などの総体である。