Editorial Catedral
エディトリアル‧カテドラル
出版社
読む人それぞれが、自らの大聖堂を築く。私たちは皆、より豊かに生きるために読む
主人公はハニフ・クレイシとフィリプ・ロスを敬愛する文学教師で、そのことをモロッコに帰国を決めた友人に日々話している。モロッコはふたりの生まれ故郷で、友人はそこで子どもが育つのを見たいという。主人公は子どもは欲しくないし、愛する女性と暮らす勇気がなく、イスラムにムスリムが徴兵されることをうけいれられない。また自分のセックス中毒を抑えることが出来ず、満足感を得ることがない。ふたつの文化に自分が引き裂かれているとは思わないし、モロッコには帰るつもりはない。作者はこの作品でマグレブから来た移民の子どもたちの感情と矛盾を、率直にユーモアをこめ非常に明晰に描く。彼らは西洋諸国が与えたチャンスをものにした二世だが、ヨーロッパ人がだれしもそうであるように、ヨーロッパ文化は彼らを幸せにはしなかった。
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文学
ノー
No
サイード‧エル‧カダウイ‧ムサーウィ
Saïd El Kadaoui Moussaoui
Editorial Catedral
ゲーテとシラーが共に過ごし、その後の彼らの作品にとって、またふたりの関係にとって決定的な意味を持つことになった1794年の夏の数日間へと読者を誘う。友情の物語であり、同時に神話の後ろに隠れた人物の夢や苦悩、心の奥底の野望、誰にも明かせない恐れの物語である。ヨーロッパ文学において最も影響力のあるこのふたりの作家は、常に生涯の伴侶である女性たちに守られていた。彼女たちはしばしば、完全な闇にとざされてしまいそうになる彼らの唯一の光だった。シンフォニーのように、多様な声と、時の中で絡み合う横糸が、男と女、過去と未来の間で完璧な合わせ鏡となって内的考察を導き、人生と愛の密接な関係を語る。
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