María Oruña
マリア‧オルーニャ
ガリシア出身の作家で、幼い頃からしばしばカンタブリア地方を訪れてきた。彼女の4編のノワール小説は、すべてカンタブリアが舞台。ノワールのジャンルのデビュー作『Puerto escondido(隠れた港)』は成功をおさめ、ドイツ語、フランス語、イタリア語、カタルーニャ語に翻訳された。そして『Un lugar a donde ir(行くべき場所)』(2017)、
『Donde fuimos invencibles(私たちが無敵だった場所)』(2018)、小説家としての才能が花開いた本書。4作の主役は、カンタブリアの風景と、何千もの読者に愛される、警部補バレンティナ‧レドンドのチームである。『El camino del fuego(火の道)』は、このシリーズの新作で、初めて舞台をスコットランドに移した。故郷のガリシアが舞台の独立した作品『El bosque de los cuatro vientos(四方の風の森)』 (2020) もある。
オリベルはカンタブリアのスアンセスにコロニアル様式の大きな家を相続する。改修の最中壁の中から赤ん坊の死体が出てきて、その隣には時代に全くそぐわないものが一緒に置かれていた。この発見をきっかけにこの地域一帯で次々と殺人事件が起きていく。司法解剖の結果はどれも不可思議なものばかりで、治安警備隊の捜査は難航し、オリベルは窮地に追い込まれる。オリベルは残された時間と戦いながら、殺人犯を見つけるための旅に出る。まったくのフィクションながら、歴史的データの多くは事実に基づく。捜査の専門的な知識に関しては治安警備隊作戦本部、司法警察捜査司令部、警備隊本部、法医学研究所の協力を得た。
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文学
隠れた港
Puerto escondido
マリア‧オルーニャ
María Oruña
Cristina Mora Literary & Film Agency
サンタンデール湾クラブの会長で、市の有力者のひとりである女性実業家フディス・ポンボが、豪華スクーナーの船室で死体となって見つかった。彼女はテニス界の選ばれた数名の招待客とともに、日暮れどきにクルーズに出ていた。前世紀初頭の密室犯罪の小説を思わせる犯行。船室は内側から鍵がかけられ、遺体に残された奇妙な傷も、犯行の謎めいた方法も説明がつかない。またパーティーのすべての招待客には、彼女の命を奪う動機があるようだった。犯行を犯すにせよ逃げるにせよ、誰も船に乗り込むことも、船からおりることもできない。誰が殺したのか。どうやって? なぜ? マリア・オルーニャの意欲作、癖になるエレガントなスリラー。
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