José Soto Chica
ホセ‧ソト‧チカ
ホセ‧ソト=チカは職業軍人でボスニア‧ヘルツェゴヴィナに国連の平和部隊(国際連合保護軍、UMPROFOR)として派遣されていた。爆発物による事故で片足を失い、盲目になったことで、人生の転換を図り、本当に興味があった歴史の道に進む。現在は中世史の博士号を持ち、准教授として教鞭を執るほか、ビQンチン、ネオギリシャ及びキプロス研究センターで調査‧研究に勤しむ。著書にモノグラフ『Bizancio y los sasánidas(ビQンティオンとサーサーン王朝)』(2012)、『Bizancio y la Persia sasánida: dos imperios frente a frente(ビQンティオンとサーサーン朝ペルシャ:対峙するふたつの帝国)』(2015)、『Imperios y bárbaros. La guerra en la Edad Oscura(帝国とバルバロス。暗黒時代の戦争)』(Despertaferro、2019)、『Los visigodos. Hijos de un dios furioso(西ゴート王国。凶暴な神の子どもたち)』(Despertaferro、2020)など。また共著者として『La Didascalia de Jacob(ヤコブの戒規)』の編纂、翻訳、調査に携わった。
846年、ローマ帝国の首都であるローマの街は廃墟と化し、なかば打ち棄てられていた。それでもローマは永遠の都で、教皇が統治し、ペテロ、パウロなど十二使徒の亡骸が限りない財宝に囲まれて眠っていた。カトリック教会はすばらしい財宝を隠している。それゆえ海のかなたのイスラムの海賊たちがローマ略奪を企てる。一方、地中海じゅうで陰謀や戦争の噂がささやかれている。共通する唯一の目的は、繁栄し存続することだ。だれもがそんなふうに、よくも悪くも生きている。ローマ教皇からビザンチンの踊り子、バイキングの統領、あるいは誰もが手にいれたがっている秘密、すなわちギリシャの火の公式を、最も高い値をつけた買い手に売ろうとしている錬金術師まで。イスラム教徒によるローマ略奪という、中世キリスト教における最もドラマチックな事件を描いた小説。
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文学
火と塩の下で
Bajo el fuego y la sal
ホセ‧ソト‧チカ
José Soto Chica
EDHASA - Editora y Distribuidora Hispano Americana
568年、ローマ帝国から実質的に忘れ去られ、互いの間で争いを続ける多様で脆弱な民が住むイスパニアは、混沌と戦いが支配する危険な地であった。しかし侵略者である西ゴートのレオヴィギルドは、唯一の王とすべての民のためのただひとつの法律を持つ強く結束した王国を夢見ていた。ふたりの息子、ヘルメネギルドとレカレドのための平和な王国、イスパニアだ。初めは無慈悲で死を招く戦士ヴァルタリオだけが王のこの夢を信じた。王の周りは陰謀や背信や反乱が渦巻く。このような不穏な動きは、冷酷かつ頭脳明晰な彼の妻であるゴスヴィンタ女王からも見られた。彼女は彼女なりの計画を持っていたのだ。キリスト教の神とゴートの昔の神、所謂剣に宿る狂暴な神の間に位置することになったイスパニアは、混沌とした暗黒時代を過ごすことになる。
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