Emilio Lara
エミリオ‧ララ
1968年、gエン生まれ。博士(人類学)の学位を持つ。中学校で歴史と地理の教師。歴史書数冊を出版、スペイン‧イタリア‧フランスの大学や研究機関の雑誌に数十の記事を発表。王立歴史アカデミーのスペイン伝記事典の製作に関わる。また文学、歴史、ジャーナリズムの様々な賞を受賞。小説『La Cofradía de la Armada Invencible( 敵艦隊の信徒会)』(2016)、『El relojero de la Puerta del Sol (プエルタ‧デル‧ソルの時計を創った男)』(EDHASA、2017 -当サイト2018年紹介作品‧日本向けおすすめ書籍)の著者。同作で第24回アンダルシア批評家賞と第19回カルタqナ市歴史小説賞を受賞。本作『Tiempos de esperanza(希望の時代)』で、エダサ歴史小説賞を受賞。
1866年のロンドン、ホセ・ロドリゲス=ロサダは何度となく、自分の過去から逃げるはめになる。子どもの時に親元を離れたあと、彼は政治的理由によりフェルナンド7世の絶対王政のスペインからイギリスに亡命する。そして、故郷よりずっと進歩したロンドンという大都会で、未来への希望がうっすらと見えかけてきたとき、時計職人としての不断の情熱とすぐれた腕前をかわれ、世界じゅうが知る時計、ビッグベンの修理という仕事を大急ぎですることになる。しかし、だれも自分の過去から逃れることはできない。ロンドンの霧のなか、ある人影が彼の命をねらっている。革新的構造の時計をつくりあげるという自分の夢のためにだけ生き、仕事にうちこむホセ。彼は身に迫る危険から逃れることができるのか? 歴史はできたと告げている。というのも、彼の夢はやがてプエルタ・デル・ソル(訳注:マドリードの中心街の地名)の時計として知られるところとなるからだ。
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文学
プエルタ‧デル‧ソルの時計を創った男
El relojero de la Puerta del Sol
エミリオ‧ララ
Emilio Lara
Agencia Literaria Albardonedo
1212年、主イエス・キリストの年。激動のヨーロッパ。寄せ集められた集団「少年十字軍」がフランス王国を進んでいく。熱狂的で歓びに溢れる雰囲気の中、それを率いるのは羊飼いの少年、クロイエのエティエンヌ。彼らの目的はエルサレム。武器を全く使わず、信仰の力だけで、エルサレムを解放するのだ。一方、ムワッヒド朝カリフ・ナースィルは、戦々恐々の混乱にあるローマに進軍するためセビリアで強大な軍隊を準備する。カリフは、自軍の馬たちに必ずやバチカンの泉で水を飲ませると誓う。宗教的な熱意が、他者への、異なる者への憎しみと混ざり合う。そしてユダヤ人は残忍に迫害され、略奪され、虐殺される。陶酔した歴史的十字軍の子供たちも同じ運命をたどる。それらの子供たちの中に、待ち伏せで暗殺されたカスティーリャ人貴族の息子フアンも、仲間ピエール、フィリップとともにいた。
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