Cristina García Marcos
クリスティナ‧ガルシア‧マルコス
社会学学士で、映画‧テレビ脚本課程修了。長年アニメーションとプロジェクト開発専門の脚本家として活動し、2015年、文学とコンテンツ編集の世界に転身。脚本家としての経験からダイナミックな語りの手法を身に着けている。哲学を熱心に探求し、言語-その文法構造ではなく哲学的帰結の-と表現形式に取りつかれていて、これらを使ってたとえばバイクや速度と実存的考察といった、外見上は隔絶したテーマと分野の間に橋をかけようと試みている。
不機嫌に始まったピルグリスの1日が、悪趣味なCM撮影を引き起こして終わるだけでなく、飼い猫がヒヨコに変装してしまうなんて、そんなことってあり得る? あり得るんだよ、だって車が自力で進み、子どもたちが宇宙服を着ていて、見えない朝食をとる青いウサギ村では、どんなことでも起こるから。ほんの小さな子どものころから共存してきた力のせいでいらいらすることと、なにか関係していたのかもしれない。あるいは飼い猫が持つ本物の〝ウサギ的〟な性質か、それともきっと、何でも吸い込んじゃうスポンジみたいなこの村の空気か……それともきっとちがうのかな。理由はそれよりもっと驚くべきことかもしれない……。
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児童書・YA
ネズミの顔、悪の星
Cara de Rata, estrella del mal
クリスティナ‧ガルシア‧マルコス
Cristina García Marcos
Velocismo Editorial
オートバイのスピード競技世界選手権で世界チャンピオンをかけて出場しているガスパルは、激しい最終レースの最中にプロドライバーとして歩んできた厳しい道のりと、現在の地位に辿り着くまでに想定したすべてのことを振り返る。その一方で今のライフスタイルが及ぼす実質的な影響や、競技の世界で気品を保つことの可能性について考える。この作品はユートピア小説という複雑で数少ない小説のジャンルに分類される。「ありえること」の心理学的描写で、長きにわたって誤解されているニヒリズムを避け、また「反ユートピア」の泥沼と安っぽい悲観主義を、不動性を正当化するための口実とすることも避けている。しかし、単純化、道徳主義、野暮ったさを控えることでこの種の文学が持つ難解さを克服し、良質な本に仕上げている。
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