Carles Soldevila
カルレス‧ソルデビラ
カルラス‧ソルダビラ=イ=スビブル(バルセロナ、1892-1967)は、作家、詩人、ジャーナリスト、脚本家。歴史学者のフェラン‧ソルダビラの兄。カタルーニャの文化的運動ノベセンティスモの中で文学活動を開始。その後主に小説の分野での改革者となり、中産階級の風俗を描き、小説にカタルーニャ文化を取り入れることに尽力した。代表作は、3人の女性主人公Fanny(ファニー、1919)、Eva(エバ、1931)、Valentina(バレンティーナ、1933)の心のうちに起こる波乱を描いた最初の三部作。3作目で、ジュアン‧クラシェイ賞を受賞。
カルラス・スルダビラの、最も有名な小説。主人公(独立心旺盛で、自分をしっかり持った娘)の性格や、主に内的独白で表現された現代性により、その時代の新しいカタルーニャ文学を代表する作品となった。1929年刊行時の作品の魅力は、今日の読者にも保たれ、カルラス・スルダビラの最も重要な散文作品とみなされている。
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文学
ファニー
Fanny
カルレス‧ソルデビラ
Carles Soldevila
Edicions 62, S.A.
家族関係の危機と主人公のアイデンティティの問題をめぐる小説。主人公の17歳の少女は、自分の中で作り上げた理想の世界が崩れ行く様を目の当たりにし、バルセロナの裕福な家庭の只中で、シェークスピアのハムレットからエレクトラに至る文学的モティーフを展開していく。一歩引いたところから、彼女は自分の家庭生活の凡庸さや欺瞞を暴き、実の父エウセビオ・バイセレスのような登場人物を動かす隠れた打算を白日の下に晒していく。この父親が主人公の復讐の標的となる。
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