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Sònia Hernández

Sònia Hernández

ソニア‧エルナンデス

ソニア‧エルナンデスは1976年、バルセロナ県タラサ生まれ。スペインの作家、ジャーナリスト。2006年に最初の詩集La casa del mar(海の家)、続いて2010年に詩集Los nombres del tiempo(時の名前)を出版。小説家としては、2冊の短編集Los enfermos erróneos(間違った患者たち、2008)とLa propagación del silencio(沈黙の広がり、 2013)、小説La mujer de Rapallo (ラパッロの女、2013)とLos Pissimboni(ピッシンボニ家の人々、Acantilado、2015)を出版している。2010年、英国の有名な雑誌「グランタ」でスペイン語圏における若き語り手たちのベストセレクションに入った。文学亡命研究グループ(GEXEL)のメンバーで、このグループの活動としてマクス‧アウブに関する様々な研究、また最近ではビセンテ‧ロホの研究の成果を残している。ジャーナリストとしては「ラバングアルディア紙」別冊の文芸欄に常時記事を書いている。

「ピッシンボニ家の人々はだれにも好かれていなかった。丘の上の蔦の絡まる家に住んでいたが、他の家々からあまりに離れていたので、村の外に住んでいると思われるほどだった。兄弟が大勢いたが、家長のイグナシオと妻のマルティナがまだ生きているのか、だれも知らなかった。村で姿を見かけることもなかった。村人たちから忘れさられ、だれからも心配されなかったし、彼らのほうも、村人のことを考えることもなければ、だれかに好意をいだくこともなかった」ソニア・エルナンデスの驚きに満ちたこのカフカ調のこの物語はフィクションの限界に果敢に挑み、自由についての美しいメタファーとなっている。

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Sonia Hernandez著『Los Pissimboni』の表紙
文学

ピッシンボニ家の人々

Los Pissimboni

ソニア‧エルナンデス

Sònia Hernández
Quaderns Crema

「わたしたちとほぼ同時に生まれた民主主義と憲法は、誰もが望むものになる権利があるとうたっている。社会全体が合意し、わたしたちの願いと希望を守ろうとした。わたしたちは自分が望むものになろうとした。そのため、大人になったら何になりたいのかと、わたしたちは常に聞かれてきた」。一人称複数形で語られるこの群像小説では、登場人物たちが分かち合うのは、我々皆の代表者としての意見を超えたもの。つまり彼らは、同じ象徴的な場所で生きている。仕事をするとか決定を下すといった人生の重要な時、人生に意味を与える時を示す兆候を待っているがために、失われたとまでは言えないがさまよっている世代という、同じ場所で。

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Sònia Hernández著『El lugar de la espera』の表紙
文学

待っている場所

El lugar de la espera

ソニア‧エルナンデス

Sònia Hernández
Acantilado (Quaderns Crema S.A)