Raimon Portell
ライモン‧ポルテイ
カタルーニャの教育者で作家。文献学を学び、さま まな新聞や雑誌に寄稿してきた。ジャーナリズムの2つの賞をとり、雑誌「ダスクブリール‧カタルーニャ」の編集長、雑誌「インフ>ンシア」「アルタイル」の編集主幹を歴任。多数の小説と、さま まな旅の本を出版。2005年には『Vull una corona!(王冠が欲しい)』でセラ‧ドール批評賞、2019年には本書で国民児童文学賞を受賞。そして2019年には、本作『Caminos de Agua(水の道)』で国民児童青少年文学賞を受賞した。
ルットは逃げなければならない。 誰から? なぜ? 彼女はそうするしかないことを知っているが、なぜだかわからない。 アルジモン先生や、アンチョビことマルクのように彼女を助けたい人さえも秘密に覆われている。ルットを探している人たちは、彼女に対してどんな関心があるのだろう? 彼女はどこに行くのだろう? なぜ? 3部作La luz de Artús(アルトゥスの光)の第1部Caminos de noche(夜道)では、すべてが解決されるわけではない。いくつかの答えは出るが、それは必ずしも読者が望むものではない。3部作の舞台は私たちの世界ではない。少なくとも私たちが知っている通りのこの世界ではない。 歴史は他の道を辿った。いくつか似ているところはあるし、いくつかの国の現在の地名と同じものもあるが、国境線は違っている。 時代背景としては、スペイン内戦が実際より20年早く起こり、第2次世界大戦勃発時にまだ続いているという具合だ。
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文学
夜道
Caminos de noche
ライモン‧ポルテイ
Raimon Portell
Barcanova Editorial
Caminos de noche(夜道)』(Barcanova、2017-当サイト2018年紹介作品)で始まる三部作『La luz de Artús(アルトゥスの光)』の第二部。第一部のストーリーから離れたところから物語は始まるが、第一部の主人公ルットが、モンセグル城で再び登場する。安全な隠れ家に見えた城だが、戦争は大陸を火の海とし、軍隊は執拗に彼女を追い、長い触手を伸ばしてくる。新たな困難に立ち向かわねばならないとルットはわかっているが、どうにもならないこともある。ガイドであり友だちである、シコイワシのマルコスは、帝国で最も危ない穴に入らなければならないとしても、彼女を助けるつもりだ。この第二部で壁が開く。世界はさらに広いことに私たちは気づく。もっと多くの人々がいて、ゲームは私たちが知る国境の向こうまで続く。すべてはつながっていて、ここでの小さな行為に大陸の運命がかかっている。
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