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Leonardo Padura

Leonardo Padura

レオナルド‧パドゥーラ

1955年、ハバナ生まれの、脚本家、ジャーナリスト、批評家。探偵マリオ‧コンデを主人公とする推理小説シリーズで国際的に知られる。同シリーズは何か国語にも翻訳され、カフェ‧ヒホン賞、ハメット賞、アメリカ諸島賞、ブリガーダ21賞、レイモンド‧チャンドラー賞などを受賞。トロツキーとラモン‧メルカデルのめくるめく生涯を再構築したEl hombre que amaba a los perros(犬を愛した男)は10か国語に翻訳され、映画化権が売れ、キューバ批評家賞、フランチェスコ‧ジェルミ‧ディ‧カポリアッコ賞、カルベ‧デル‧カリベ賞、イニシャル賞、ロジェ‧カイヨワ賞に輝いた。2012年、パドゥーラはキューバ国民文学賞を受賞した。

2、3本のかなりさびれた通り、それだけがハバナのチャイナタウンの名残だ。キューバ人の元刑事マリオ・コンデはそこに足を踏み入れた途端、何年も前、1989年に既に来たことがあるといやでも思い出す。魅力的な警部補のパトリシア・チオから不思議な事件を解決するために手を貸してくれと頼まれたのだった。ペドロ・クアング老人の殺人事件。老人は指1本が切りとられ、胸に丸と2本の矢の絵を刻んだ状態で、首を吊って発見された。これはサンテリア教(キューバの民間信仰)の儀式だった。捜査は街の近隣地域へと広がり、コンデは意外なコネクションを発見する。秘密のビジネス、多くのアジア系移民家族の現実をさらけだす自己否定と不幸の物語、彼らのキューバ人との散発的なコンタクト。中国のことわざにあるように、蛇の頭にたどりつくには蛇の尾を見つけるべし。無秩序な街をさまよいながら、コンデが過去と現在を行きつもどりつするうちに、友人、女たち、危険などに彩られた混沌とした世界の空気を、読者は再び吸うことになる。コンデ・シリーズの1冊。

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Leonardo Padura著『La cola de la serpiente』の表紙
文学

蛇の尾

La cola de la serpiente

レオナルド‧パドゥーラ

Leonardo Padura
Tusquets Editores

1939年、ドイツから逃れてきたユダヤ人900名を乗せたS・S・サン・ルイ号は、ハバナを目前にして、避難民の上陸許可が下りるのを待って何日も停泊していた。幼いダニエルとそのおじは桟橋で、親族が下船してくるのを待っていた。彼らが隠し持ってきた、17世紀から一族に伝わるレンブラントの小さな油絵が、通行許可証代わりになってくれるという確信があった。だが計画は失敗に終わり、ドイツに引き返すことになった船は、すべての希望も運び去った。2007年、油絵がオークションに出品された。ダニエルの息子はあの絵と一族にその後どのような運命が訪れたのかを明らかにするため、ハバナへとやってきた。彼に手を貸せるのは、マリオ・コンデをおいてほかにいない。マリオはダニエルがある犯罪に苦しんでいたこと、そしてあのキリストを描いた絵が、すべてをかけてレンブラントの工房に絵を習いに来た別のユダヤ人をモデルにしていたことをつきとめる。

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Leonardo Padura著『Herejes』の表紙
文学

異端者

Herejes

レオナルド‧パドゥーラ

Leonardo Padura
Tusquets Editores