Javier Vásconez
ハビエル‧バスコネス
ハビエル‧バスコネスはスペインで学んだ後、パリで勉強を続ける。1982年に『Ciudad lejana(遥かな町)』を出版。『Angelote, amor mí(我が愛しの君はお人好し)』でプルラル‧メヒコ誌プリメーラ‧メンション賞を受賞。小説『El viajero de Praga(プラハの旅人)』(1996)はアメリカのスペイン語圏と欧州で話題を呼んだ。同年に中編小説『El secreto(秘密)』を、続いて1999年にロムロ‧ガリェゴス賞の最終候補作品となった『La sombra del apostador(ギャンブラーの影)』を上梓。2004年には短編集『Invitados de honor(来賓たち)』と長編小説『El retorno de las moscas(帰ってきたハエ)』、『Jardín Capelo(カペロ庭園)』を、2010年にはフアン‧ビリョロが序文を書いた『El viajero de Praga(プラハの旅人)』とロムロ‧ガリェゴス賞で最終候補作品となった『La piel del miedo(恐怖の肌)』を出版。2012年に『El secreto(秘密)』のフランス語とスペイン語の2カ国語版とトルコ語に翻訳された『Jardín Capelo(カペロ庭園)』が出版された。同じく2012年に『La otra muerte del doctor(医師のもうひとつの死)』を発表。2020年…
『沈黙のホテル』というこの暗示的なタイトルから、ハビエル・バスコネスは私たちを戦慄の極みに連れていく。真夜中にホテルの闇を切りさく子どもの泣き声よりも身に毛のよだつものがあるだろうか? しかし、この小説の一番の読みどころは、絶望する複数の人々の物語が織りこまれていることだろう。舞台は、子どもという最も弱く無防備な存在を被害者とする連続誘拐と殺人に震撼する都市。この街で登場人物たちは愛と自分自身を探し求める。解決することのできなかった辛い過去の物語を心にかかえた人物たちは、難破の連続の自分の人生をなんとか再建しようとする。
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文学
沈黙のホテル
Hoteles del silencio
ハビエル‧バスコネス
Javier Vásconez
Editorial Pre-Textos
本作品は大衆小説としてみなすこともできるが、面白い仕掛けや文豪への敬意、円熟した叙述、登場人物の構成と劇的内容の奥深さから、教養小説としても読める。
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