カルメレは獣医学生時代から、野生動物に関わる仕事がしたいとはっきり思っていた。その情熱は冷めることなく、43歳の今、彼女はボルネオ島(インドネシア)でオランウータンの保護と回復を目的とした大規模なNGOを率いている。本書では、自然とともにあった幼少期、学業、野生動物回復センターでの最初の仕事の日々、ボランティアとして働くためにジャカルタに降り立ったこと、そしてゴミの中で棒につながれるひどい生活を送っていた飼育下のオランウータン、ジョジョとの出会いが人生に与えた衝撃について語っている。オランウータンは、ボルネオ島とスマトラ島にのみ生息する霊長類の一種で、その生存は深刻な危機に瀕している。そのため、本書では彼らの生活について語るだけではなく、類人猿たちの知性の高さや、アブラヤシ農園によって荒廃した彼らの環境、彼らとそこに住む人々のニーズについても紹介する。