シェイクスピアの最も魅力的で想像力豊かな作品に基づく、喜びあふれる生き生きとした夢物語。いたずら好きであわて者で、ふざけんぼうの妖精パックが、ウイリアムという少年に物語を語る。この少年がのちに、歴史上有名な劇作家となる。本書は原作の精神に忠実に、世界文学の最高峰となっている作品の特徴を生かして書かれている。わくわくする物語が、10歳の読者を魔法とファンタジーいっぱいのおとぎ話の世界へと運ぶ。詩的な言葉づかいややわらかい語り口、登場人物たちの優しさも素晴らしい。
自分の命を守るため、若きゾーリンガーは生まれ故郷を捨て、遠く離れた土地で7年間、ひとり冒険の道を歩み、ありとあらゆる職業についた。つらい亡命生活ゆえの経験は、やがて啓発の道に変わっていく。たとえば、毎日謎めいた電話受付係の女性からの仕事の電話を受ける、とある駅のごく小さな守衛室で真実の愛を知る。軍隊の隊列の中で仲間意識と最も忠実な友情をかみしめる。消えゆく森の壮大さの中で自然の神秘を発見する。そして、何より、些細でつつましい仕事の尊厳を尊重する心を学ぶ。
挿絵入り書籍。旅人で作家のガビ・マルティネスと、考古学者で博物学者そして探検家のジョルディ・サラリョンガ共著による本で、挿絵はジョアナ・サンタマンスが担当。目に見えない動物や、およそ誰も見たことのない動物を探して地上のあらゆる場所を訪れる。すでに絶滅し、もう見ることのできない動物、その生活様式や、人類が直接、あるいは生活環境を損なう形で害を与えた影響により、見ることが非常に難しくなった動物たちについて描写している。
……そして、人間が自分自身の運命の青写真をつくる機会を得る時が来て、対立が生まれた。テクノロジーと大企業の支配vs協力と自然との調和。全く相容れない2つの世界観が到達したたったひとつの合意は、今後二度と互いに接触しないこと。ミライ・シンコ-で、リアムはテクノロジーのユートピアがディストピアと化したのを直感し、皮肉と内省の間を揺れ動きつつ、大統領の養子という自らの恵まれた立場に立ち向かっていく。
20世紀後半のある時、手に深い切り傷を負った若い男、アルフレド・モンサルバジェスがニューヨークのとある病院に現れる。作家志望のこの外国人男性は、対応した看護師のジーン・ローゼンブルームから見ると、おとぎ話の王子様だった。アルフレドはじきに友人グループの中心になる。友人の目から見ると彼は、人生がなかなか与えてくれないものすべてをそなえた、何もかも解決してくれる魔法のような存在、つまり腹心の友であり、同僚であり、恋人だった。友人は4人。
東南アジアを舞台にした冒険小説。出張でシンガポールへ行ったソフィアだったが、運命に翻弄され、お金やパスポートも無く、漂流したボートでひとり大海をさまよっていた。彼女はこの運命と同様、あり得ない形で、バスク出身の向こう見ずな男オリャウリと島の謎めいた住民ジャハンが抱える問題に巻き込まれていく。ふたりはジャワ海で起きた盗難事件の関係者として当局から逃げているお尋ね者だった。
フェイスは12歳。第1世界、アジアに住んでいる。目的は、人が訪ねてきたとき、母や近所の女たちがひどく落ち着かなくなる理由を調べること。フェイスは14歳。第3世界、ヨーロッパで貧しい暮らしをしている。目的は剣闘士の学校でなんとかやっていくこと。彼女は許しがたい犯罪により、その学校に売られてきた。フェイスは16歳。生き延びている……、今のところ。現在の目的はただひとつ、復讐することだ。
本書はオネリオ・ホルヘ・カルドソ文芸教育センターを卒業した若い作家たちによって2014年半ばに始まったグループ活動の集⼤成である。ほとんどがまだ文壇デビュー前だった彼らは、読書会やイベント、文芸同好会などに積極的に参加して関わり合いを保ち続けていた。
ロルカの4行詩が、アンドレ・ダロバにより美しい折り畳み式絵本の宇宙となった。昼から夜への旅。体を貫く愛と死。初めて詩を味わう赤ちゃんや子どもたちにも、芸術を熱烈に愛する人たちにも新たな扉を開く発見の書。以下のページで、アンドレ・ダロバが本書の創作過程を語っている:Picture Book Makers / http://blog.picturebookmakers.com/post/138987247301/andré-da-loba
ビーチが安らぎの場所だった時代があった。究極の観光の時代にあって旅行者は別のスリルを求めている。ロック・グループ「ロス・エストラディタブレス」の元メンバー、マリオ・ムリェールは、カリブ海に妄想めいた可能性を見いだす。「恐怖の悦楽」だ。 彼は巨大なサンゴ礁の海岸に、コントロールした危険を提供するリゾート「ラ・ピラミデ」を建設する。だがやがて、ひとりのダイバーがアクアリウムの水槽の前で死んでいるのが見つかる。