スペイン民主化移行期を舞台にしためくるめくスリラー。あの時代の知られていない顔を見せてくれる。
CESID(スペイン防衛情報局)のふたりの秘密情報部員、ピナチョとカルロタは、ある捜査中に再会する。単なる追跡として始まった事件は、やがて陰謀と殺人事件に発展するが、殺人の発端はスペインの民主化移行期にさかのぼる。現在の犯罪事件を解決するには、過去に辿らなければならない。
ETA(民族組織「バスク祖国と自由」)への潜入者、CESIDのスパイ、ETAのコマンド部隊、GAL(対テロリスト解放グループ)の生き残り、クーデター側の軍人たち…… 近づきすぎると発火する危険な面々だ。
ふたりの主人公は、歴史のどの部分が各人に関係しているのかを発見していく。どれだけを思い出し、どれだけを忘却の中に置き去りにすべきか。歴史と共に携えてきたそういった荷物が、岐路に立ち選択を迫られたとき、決断を助ける。
第二共和国における秘密結社の研究でみせたのと同じ、スペインに対する洞察力のあるするどいまなざし。歴史的記憶とその回復によせる関心、またそれらが公民精神という理論とその形成論争を保証するという確信が語られる。
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