ダニ・ガルシアは世界の料理界における議論の余地のない名シェフであり、現代スペイン前衛料理の担い手のひとり。その仕事ぶりは大胆、誠実そして情熱的であり、しかも料理の歴史や自らの郷土の伝統や、他の料理人の仕事にも深い敬意を払う。だからこそ彼の卓越した現在があり、輝かしい未来も約束されていると言えよう。
本書は、そのさらなる証拠ともいうべき、ダニの芸術の集大成であり、そのタイトル『"伝統で"(コントラディシオン)料理する』が示すように、ひとつの意思表明でもある。つまり何ものにも逆らわず、アンダルシアの伝統料理に着想を得、その粋を集め、賛美しつつ、あくまでも前衛でありつづける。これがダニの料理なのだ。
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