木々への賛歌。テレサ・フランケサが文を書き、シグリッド・マルティネスが巨大なイラストを描いたこの折り返し付きの新しい絵本には、木に対していろんな見方をしてみようという意図が込められている。1本の木では森にはならない。しかし子供たちはこの本を通して、1本の木はそれ自体がひとつの生息環境なのだということを知る。木は動物たちを養い、私たちに避難場所や木陰を提供し、果実や種を実らせ、風景を成し、絵画や詩歌や冒険譚の着想を与える。そして木は生きもので、慈しみと世話を必要とする存在なのだ。各見開きには、双眼鏡型に穴をくりぬいた大きな折り返しがついていて、子供たちの好奇心を刺激する。本の最後に順序を追った木の植え方の説明がある。木という素晴らしい生きものの成長過程を間近に見ることを誘いかける1冊。