コブナント学院ではその夜も、いつも通りに時が過ぎるはずだった。ふたりの若い魔女、エリザ・キットラーとケイト・サンジェルマンがリトル・ヒル墓地の死者たちを一斉に目覚めさせようと決めるまでは。それはほんのいたずらのつもりだったが、ふたりは放校になってしまう。今やエリザに残された道は社交界にデビューして申し分のない夫を見つけることだけだった。だけど派手なドレスとありあまるお金、光るものすべてが金に見えるようなダンスホールの日々が始まるのと時を同じくして、ロンドンの闇社会では暗い兆しが膨らみはじめていた。エリザの両親が殺されてから27年後、魔女たちに再び死が襲い掛かる。それも犠牲者は、その前の死者よりもっと不気味な姿で見つかるのだった。魔法使い殺しの裏にいるのは、いったい誰なのか?