1901年に発表された『El tío Gorio(ゴリオおじさん)』は、詩人のホセ・マリア・ガブリエル=イ=ガランの手による数少ない物語の一作。フアン・ルイス・イグレシアス(原作)とホセ・クルス・デ・クルス(作画)は、このガランの代表作を独自のアプローチにより風俗画タッチの漫画に仕上げた。本作では、ガブリエル=イ=ガラン自身が物語の語り手そして主人公として登場し、彼が創作した登場人物、ゴリオおじさんとプリアおばさんという愛と打算で結ばれた夫婦と交流する。またイ・ガランは、エミリア・パルド・バサン、ベニート・ペレス・ガルドスという他のふたりの文学者と寄り集い文学芸術について考察し内輪話を回想していく。その会話を通じイ=ガランが批判と情愛のはざまで同胞たちをどのように見ていたのかが本作では描かれている。2020年に生誕150年を迎えたスペイン語とエストレマドゥーラ語の魂の詩人、ホセ・マリア・ガブリエル=イ=ガランへのオマージュ。