本書は、地図製作史における至宝、アトラス(世界地図帳)と、その作成者であるゲラルドゥス・メルカトルの人生を深く掘り下げたもの。メルカトルは複雑な理論体系と重要な革新技術を駆使し、地理に関する知識とその地図作成における解釈を体系化した。その図法は現代でも用いられ、地図作成に活かされている。歴史家ケビン・R・ウィットマンが情熱を傾けて著した本書は、16世紀の拡大していく世界を映し出し現在の世界地図の直接の起源にもなった地図について詳述した作品で、読む人を地図製作の知識と歴史の世界に引き込む。