本書は心理学の特異な論文だ。テーマは悪の起源。ホセ・アントニオ・マリーナはまたしても文化の探偵となって、邪悪さの基準という、西洋文化において昔から続く強力な伝統を研究した。15世紀以上にわたって伝えられてきた魂の地下室の詳細な見取り図、それは7つの大罪である。本書でマリーナは、人間の知性が触れたものはすべて無限となることを再度確認する。欲望もまた無限である。ボードレールは、悪徳が無限であるのは人間の野望が無限であることの証だと考えていた。7つの大罪を古典的手法で分類したマリーナは、人間の情念と内的両義性の間にはあるシステムが働いていることを発見する。つまり、エネルギッシュなドラマ性は人間の条件なのである。本書はしたがって、人生についての書である。