「メテオロ」のジョーは、ボクシング界で一時脚光を浴びたが、今はマフィアの集金係に身を落としている。しかし幼なじみのシモンが現れ全てが変わる。シモンは運命が道を分かつまで、兄弟のように育った友だ。ビルの屋上にジョーを呼び出したシモンは後ろ暗い秘密を打ち明け、最後の頼みを聞いてくれと懇願する。そして数々の恐ろしい犯罪を告白すると、呆然とするジョーの目の前で飛び降り自殺をする。ジョーはある使命を託される。リアルな悪漢やヒーローが登場する空想的フィクション。状況に応じて自分をさらけだしていくひとりの男の可能性を追う。「人より怖い悪魔はいない。また己の影より深い暗闇はない」