マヌエル・ヘレーナは、ぬきさしならぬ頑な連帯感から歌う。それゆえ熱心に自ら歌詞を書き、それゆえその言葉を古い調べに包みこむ。その調べの中で、内面からあふれでる嘆きの和音と、共同体の反逆の叫びがとけあうようだ。それらのコプラが、彼の人間性、彼の批判的感受性を定義する。そして、その人間性と感受性が、彼の感情の発露たるフラメンコという音楽そのものによって賛美される。ヘレナの人生の軌跡、社会への懸念ー人間のための正義ーと美との間の均衡の追求が、多くのカンテフラメンコを生みだした。本書は、彼の芸術に滋養を与える彼の詩のセレクションである。CD付き。