「今飲む者は将来も飲む」と言う諺がある。ちょっと変えると「旅をした者は将来も旅をする」とも言える。本書はエキゾチックなもの、新しいもの、未発見のものを追い求め、驚きに向かった旅の記録だ。欧州有数の旅人であったテオフィル・ゴーティエの散文とカバフィスの詩を通して、読者の前にはビザンチウムを背景にした東洋と西洋の出会いと別れが広がる。描写されるのは、地中海文明において重要な伝説のコンスタンティノープルである。当時の素晴らしい挿絵とともに、忘れ去られてはならない旅が、欧州とアジアに跨ったユニークな都市コンスタンティノープルの神秘と美を明らかにする。